【メンヘラ】じつは、うつ病や不安症の人はある1つの言葉をよく使う

前回、うつ病や不安が強い人が使う言葉には特徴があり、

「完全に、絶対に、間違いなく」

などの絶対的な言い回しばかりするのと、否定的な言葉をよく使う特徴があると紹介しましたが(参考: 【なんと、うつ病になりやすい人が使う言葉には3つも特徴があった)、

一人称単数形については更に文献があったので紹介します。

 

うつ病や不安症の人が使う言葉は特徴があった

ドイツのカッセル大学のヨハネス・ツィンマーマン博士は、男女118人(男性15名、女性103名)を対象に過去の人間関係や自己認識についてインタビュー形式で様々な質問をし答えてもらい、その言葉使いに注目しました。

なお、彼らのほとんどがうつ病や不安症で医者にかかっているとのことです。

その会話の中で、被験者たちが使う言葉のうち、

  • 「私は~」
  • 「俺は~」
  • 「僕は~」

という一人称単数形をどれくらい使うか調べたところ、うつ病や不安症の人はそうでない人に比べて圧倒的に一人称単数形をよく使うことが判明したそうです。

症状が重くなるとさらに「私は~、俺は~」という一人称の使用頻度が増すことがわかったとのこと。

なんと「自分は、俺は~、私は~」と言うほど精神不安定になる

なんと普段の会話の中で、

「自分は~」
「私は~」

「俺は~」
「僕は~」


という一人称単数形を使えば使うほど、周りとの関係をうまく築けなく鬱や不安症になりやすいことがわかったとのことです。これは衝撃ですね。

さらにコミュニケーションに問題が起きる

一人称単数形をよく使う人ほど他者との会話がうまくいかず問題を抱えやすいことがわかったんですが、彼らのその特徴を調べると、

  • 「一人で過ごすのが苦手」
  • 「人にかまってもらいたがる」
  • 「過度に自分の存在を誇示する」
  • 「過度に自分をさらけ出したがる」
  • 「注目を集めたがる」

などの特徴があったようです。特にネット上にはこういう人けっこういますよね。私も情緒不安定なときは注意しないとって思っちゃいますが…。

逆に「俺たち、私たちは」を使う人はコミュ力が高い

それに対して普段から

  • 「私たちは」
  • 「俺たちは」
  • 「僕たちは」

のように「たち」を含む一人称複数形をよく使う人ほど、周りとの人間関係が良好でコミュニケーション能力が高いことがわかったそうです。

博士によると

「一人称単数形は、自己を他者と区別し確固たる存在であることを示します。それとは逆に、一人称複数形は、自己が社会やグループの一部であることを表します。そのため、普段の会話で上手に複数形を用いる人ほど他者との関わり合いを重視し、良好な関係を保てるのだと考えられます」

― 私! 僕! 俺! 一人称単数形を頻繁に用いる人ほど鬱になりやすくコミュニケーション下手であることが判明 | ロケットニュース24

とのことです。

つまり、「俺は~、私は~」を連発する内面は自分と他者を分けてしまって、思考が孤立してしまってるんですね。

考えてみたら自分を特別視していたら集団の中で存在が浮いてしまうのは自然な流れとも思います。



思い返すと一人称ばかり使っていた

こんなこと書いといてなんですが、私も一人称単数形を頻発してしまっていました。

「私たちは~、俺たちは~」

という言い方は、「たち」っていう言い回しにして「みんなも一緒に巻き込んでいいのかな」とか思ってしまってなかなか言えないことがありました。私だけかもですが…。

例えば一緒に仕事してるメンバーとの会話でも、

「私は○○なので~」

を、

「私たちは○○なので~」

と、みんなと一緒にしちゃっていいのかどうか、恐れ多いというか自分なんかの思考に相手を混ぜちゃっていいものかどうか、申し訳ないように思ってしまってたのです。

とは言ってもこれがコミュ障とメンタル悪化する原因ったんですね。

こちらも参考ください: 【なぜ「やらなきゃ、すべき思考」で自己嫌悪・罪悪感が増える?

積極的に「俺たち」を使うべし

ただ、言葉使いによって不安やうつ症状が変化するという原因と解決策がわかったので、ネガティブな言い回しに巻き込むのはまだ考えちゃうかもですが、

「私がうまくいくにはどうしたらいいか?」

から、

「私たちがうまくいくにはどうしたらいいか?」

のように、ポジティブな表現は使えそうだなって思いました。
私たちもこれからは気をつけていきましょう。

余談

そういえば最近、「君たちはどう生きるか」の漫画版を読んだんですが、
コペル君がデパートの屋上から街を見下ろした時、

「ここから見ていると、雨粒くらいに人が小さく見えるね…」
「分子みたいに、ちっぽけだ」
「僕も、この中にいる…」
「ほんとうに人間って、分子なのかも…」
「だってさ、目をこらしても見えないような、遠くにいる人たちだって」
「世の中という大きな流れをつくってる一部なんだ」
「もちろん近くにいる人たちも」

― 「君たちはどう生きるか」

「自分」と「他人」を一緒の集団(分子)の中と捉えること、自分も含め、流れを作っている一部だと認識する。そのことを思い出しました。

まとめ

自分と他者を一緒に考えられるようになる、きっとそこから私たちはもっと良い方向にいけるんだと思います。

「自分は、私は、俺は」

という言葉は、自分と他人を切り離して考えてしまってるとも言えます。

そしたらどんどん自分という存在は孤立してしまうのは当然なのかと思います。そうじゃなく、周りの一部として自然にいるのが本来あるべき姿なのかなと思います。

一人称で不安やうつ傾向が治り、もしくは逆もあるとなると、普段の言葉使いをほんのちょっとでも変えていくだけでもメンタル改善になるかもしれません。

こちらも合わせてご覧ください: 【なぜ完璧主義で白黒はっきりな人は不安やうつ病になりやすいか?

参考:

People who talk about themselves frequently are more prone to depression and anxiety | Daily Mail Online