【無意識の心理学】なぜ暗いニュースを見るだけでここまで影響がでる?

私たち現代人は日々テレビやネットでニュースを見たり、ラジオを聴いてます。
テレビをつけてもラジオをつけていてもTwitterのタイムラインでも、世界中の事件や事故、銃撃事件やテロや犯罪など、24時間絶え間なく情報が流れてきます。

前からよく思うんですが、ニュースって暗いですよね。
一日中テレビのニュースを流してたら心がやられちゃうような気がしてます。

 
今回は心理学的な効果として【音楽にはストレスを減らしうつ病を予防できる音域があるで書いた関連の続きです。

なぜネガティブなニュースばかり目につくのか?

暗く悪い内容の情報ほど、精神状態に大きな影響を与えてしまいます。
しかも、私たち人間の脳はネガティブな物事のほうが意識が向くという特徴があります。

なぜ悪いことがいつまでも記憶に残るか?

あまり嬉しくないことですが、脳は、いいことよりも悪いことのほうが記憶に残り、いつまでも思い出してしまうようにできています。なぜなら、そのほうが危険回避に繋がり生存できるからです。危険なことを「危険」とみなせなかったら命の危機にさらされてしまいます。

例えば「A地方で殺傷事件があった」というニュースを見た時、危ないのでA地方に行くのを避けますよね。
そうすることで危険回避に繋がります

危険なことが起きた場所は逆に安全

ただ、この場合「A地方は危険」と思うかもしれませんが、実際はむしろ安全なことのほうが多いです。

なぜなら「A地方で殺傷事件があった」場合、そしてその犯人が捕まっている場合、A地方は事件への意識から警備が強化され逆に治安が安定することのほうが多いからです。

無意識に「暗いニュースばかり」と思ってしまう理由

こういった脳の構造上、ポジティブなニュースとネガティブなニュースを5:5で見たとしても、ネガティブなニュースのほうが記憶に残ってしまいます。

なので、暗いニュースばかりだなと思っても実際に世界は終わりに向かっていってるわけではありません。そう思ってしまうだけで、嬉しい出来事もたくさん起きています。
無意識にそう感じてしまうのです。



暗いニュースを見てもろくなことはない

とは言っても暗いニュースを見たところでろくなことはありません。

神経学的には、暗いニュースや暴力的、悲惨なニュースを見るとその画像や音声、映像は今自分が置かれてる状況ではない」と認識できるため直接的に脅威をもたらす出来事と捉えずにすむようです。

つまり「自分が危険だ」とまでは思いません。

ただ、内面としてはネガティブな刺激によって悲観的になってしまい、無意識にネガティブな感情に飲まれている状態になってしまいます。

暗く衝撃的なニュースでPTSDになる可能性も

以下は引用ですが、心理学者の見方では私たちが思っているよりずっと危険視してるようです。

ネガティブで暴力的な報道は深刻で長期的な心理的影響を与えるといい、それは単に悲観的になる、あるいは非難するといった感情をもたらすだけにとどまらない

- 悪いニュースを毎日見続けていると、心にどのような影響を及ぼすか | ハフポスト

また、メディアの暴力的表現や心理的影響を専門としている心理学者デイヴィ・グラハム博士によると、

メディアの暴力はストレスや不安、抑うつ症状を増大させ、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を引き起こす要因にすらなる

― 悪いニュースを毎日見続けていると、心にどのような影響を及ぼすか | ハフポスト

暗いニュースって見てるのも嫌ですよね。でも困ったことに一旦見だすと最後まで見ないと気がすまない、なんてことにもなります。

長時間、衝撃的で暗いニュースを見ていたらそれが原因でストレスになりPTSDにすらなる可能性があると知ると、怖いものです。

「特に、ネガティブなニュースは個人的な不安に影響を及ぼします。ネガティブなニュースを見ると、自身の不安を、より脅威的で深刻に感じてしまう傾向があります。そして一度心配し始めると、不安をコントロールするのが難しいと感じ、平常時よりも大きなストレスを感じてしまうのです」
自分自身だけの不安であってもより不安感が増大してしまう、これは怖いですね。私は小さい頃から不安傾向なのでなおさらそう思ってしまいます。
 
現代人は、ただ生活をしてるだけでも自然とニュースが目についてしまうものです。それで不安を抱えてしまうならいったい何の意味があるんでしょう。と思ってしまいます。

では、どうやってニュースを知ればいいか?

そうなると「もうニュースを見るのをやめよう!」と思うかもしれませんが、そうもいかない場合もあります。
 
テレビやスマホがある生活をしてたらいつの間にか見ているものだし、例えば新聞やテレビ関係の仕事だったら避けて生活はできません。
 
それに、あまりにもニュースや時事に無頓着では仕事やビジネスにも支障をきたします
 
いくらなんでも知らな過ぎも「この人なにも知らないけど大丈夫かな?」となってしまいます。
そこで、ニュースはどうしても知る必要がある場合でもいい方法があります。
 
悪いニュースでも友人から聞くとオブラートにつつまれる
 

例えば、国内で騒がれている人権問題が話題だったとして、

 
「あれって何なの?何が起きてるの?」
 
と友人や家族と話したら、
 
「えっ知らないの?」
 
って驚かれるかもしれません。
 
でも、会話の中で「知らなかった、どんなの?」って聞いたら、きっとその人なりに説明してくれます
 
仲の良い友人なら、あまり刺激のあるストレートな言い回しよりオブラートに包んだ言い方をしてくれるでしょう。すると、直接ニュースを見て過激な言い回しで不安に思わなくてもいいわけです。なにより家族や友人の意見も一緒に聞けます。
 
「一人で暗いニュースを見る」
 
という行為があまり良くないと感じています。
先述したように脳の構造上、ネガティブな記憶ばかりになってしまうからです。
 

無意識にやってくる言葉や情報の影響力はかなりヤバい

こんな話は「気にしすぎ」って言われるだけかも知れませんが、無意識にインプットされる言葉や情報が私たちに与える影響は、実は驚くほど大きいのです。
 
部屋にテレビを置くのも、ニュース番組をつけるのも自分の意思です。もっというと職場でラジオが延々流れてるとしたら、その環境が嫌だと言ってもその仕事を選んでるのは自分自身です。
 
少し強い言い方をすると、自分の理想の環境は自分で選べるので、どうせなら無意識に楽しく過ごせる環境づくりをしたほうがいいなあと思います。
 
無意識の科学については言葉の選び方も影響があります。
 

どうしたら対策できるか?

いつも見てるニュース、あんまり良くないなって思ったら違うメディアを使ってみるのも一つの方法です。
 
なんならニュースは自分から見ないって選択肢もありです。先程の話のように友人や家族からだけで十分です。
 
私はだんだんニュースから離れて今はほぼ見なくなりました。午前中にラジオを聞いてますが、音楽の合間に流れる一瞬のニュースだけです。とくに困ったこともないし、必要な情報は家族や周りからいつの間にか流れてきます
 
食べ物を買いにお店に行ったり、電車に乗ったり、お店の中で張り紙されていたり電車内のディスプレイで主要ニュースが流れてたり、よっぽど必要な情報って勝手に入ってくるので必要以上に暗くなってもしょうがないなって思います。

また、良いニュースを発信しているメディアもあります。

例えば Good News Jp | HuffPost Japan はポジティブなニュースを中心に扱っています。
いつも見るニュースのリストに混ぜるだけできっと嬉しい気持ちが増えると思います。
 
「暗くてもなんでもニュースが流れるのは当たり前」と思ってなかなか意識しないことかもしれませんが、この機会に見直してみるとよりよい生活になると思います。