これが、みんな知らずにやってる脳疲労の原因「自動操縦モード」

私たち誰もが知らず知らずにやってしまい、脳を疲れさせている原因になっていることがあります。

それは、日常生活の中であたりまえのこと、例えば食べること、歯を磨くこと、歩くことなど。慣れてしまってあたりまえのことは他のことを考えながらできるし、無意識のうちにうわの空でやってしまうものです。

朝起きてトイレに行き、歯を磨いて、ご飯を食べながら「今日は仕事で長い会議だ…」と憂鬱な気分になっているとき、心は「今ここ」にありません。それなのに「今」の自分の身体は箸をもって食べ物を口に運んで食べています。

このように自動的に動いている状態を脳科学や瞑想分野で「自動操縦モード」と呼ばれます。

自動操縦で動いている飛行機や、最近だと自動運転車のようなものです。

肝心のパイロットである本人の意識は「今」ご飯を食べてるのにもかかわらず過去や未来に行ってしまっています。

あたりまえにやっていることで脳は疲労してしまう

普段、朝食を食べ、歯を磨き、着替えたり、歩くなど毎日行ってることをあらためて意識することはほとんどないと思います。

仕事でも同じことを繰り返してたら、新入社員のときは初めてのことで戸惑っていた仕事もそのうち慣れてしまってぼーっとうわの空でやっているんじゃないでしょうか?

自転車や車の運転も、初めて乗ったときは恐る恐るやっていたのが、いつしか何も考えず、または別の悩み事を考えながら運転してるんじゃないでしょうか?

脳の雑念は「自動操縦モード」の時に浮かんでくる

こういった自動操縦モードのとき、私たち人間の脳は先の不安や心配、過去の失敗や後悔でいっぱいになってしまう特性があります

過去や未来に注意が向いたままの状態が続くと心は疲労してしまい、「どんなにぼーっと一日休んでも疲れが取れなかった」ことにもつながってしまいます。

【なぜ、一日何もしなかったのに疲れがとれないか?瞑想する理由】

「あっいま自動操縦モードだな」と意識すると雑念が減る

例えば、歩いて通勤してるときに自分の足の動きや手の動きに注目して歩いてみます

「1日5分だけ「歩きながら瞑想」でますます精神安定する」でも紹介した「歩行瞑想」という瞑想法ですが、これをやることでいつもは無意識にやってしまってることをあらためて意識し、「今ここ」に集中する練習をすると未来の心配や不安、過去の後悔や嫌な思い出しなど雑念をコントロールしやすくなります



動きながらの瞑想法「ムーブメント瞑想」

瞑想というとじっと座って呼吸すると思われがちですが、このように動きながらやる方法もあります。歩行瞑想をはじめ動きながらの瞑想を「ムーブメント瞑想」とも呼ばれます

他にも歯磨きしてるときに歯ブラシが歯に当たる感覚、ブラシで奥歯や歯茎が磨かれる感覚に注目するなど日常のあらゆる場面にムーブメント瞑想する機会があるので、思い出したらぜひやってみてください。

「瞑想」と聞くとなんだか重々しいと思うかもしれませんが、たんに「今ここ」に意識を向けるだけです。

【瞑想はとっても簡単でちょっと横になるのと同じ感覚でできる

「ムーブメント瞑想」はGoogle社内でも取り入れられている

これらの瞑想法は米イェール大学医学部の精神神経科をはじめ多くの脳科学など最先端科学で研究されています

Googleの社内研修「SIY」では「ムーブメント瞑想」が取り入れられていてその効果が実証されつつあります。

1日3分でもOK、ムーブメント瞑想

単に歩くなど普段の動きにほんの少し意識を向ける練習をしてみると、普段と違った脳の使い方になり、雑念の抑制、集中力や記憶力の向上、ストレス低減、イライラや怒りなど感情をよりコントロールできるようになるなど多くの効果があります。

【これが最新脳科学おすすめの瞑想法、マインドフルネス呼吸法

ムーブメント瞑想を毎日の習慣にしていくと、未来の不安や心配や過去の思い出に囚われすぎずに生活しやすくなると思います。

5分だけちょっと歩くときも歩行瞑想してみるなど、普段の生活にぜひ取り入れてみてください。

参考: 世界のエリートがやっている 最高の休息法――「脳科学×瞑想」で集中力が高まる – 久賀谷 亮 (著)