【無意識の疲労】じつは気づいてない脳の疲れをチェックする方法

自分の脳がどれくらい疲れてるかって普段あまりわからないんじゃないでしょうか?

長く歩いたり走ったり、運動すると息が切れて体が熱くなり汗も出ます。そうなると「あー疲れたー!」と寝転びたくもなります。自分の身体の疲れはわかりやすいのですが、脳がどれくらい疲れてるかというと意識できる人はそう多くありません

それもそのはずです。

「ぼーっとしてただけなのに、かえって疲れた」

ということがあるように、人の脳は何もしないでも動き続けるDMNという脳機能の活動によって60~80%のエネルギーを消費しているからです。この脳機能が無意識に活動し続けるため、意識してもしなくても勝手に疲れていってしまうのです。

どれくらい疲れてるか、その基準、バロメーターともなる方法を紹介します。

どれくらい脳が疲れてるかチェックする方法

まず座って楽な姿勢になります。手は太ももに乗せてください。

(1) 自分の身体の感覚に意識を向ける

椅子に座ってる自分の足の感覚を意識してください。足が床についている感覚を感じますか?座っているお尻は椅子に触れているはずです。その感覚を意識してください。太ももと手が触れている感覚があるでしょうか?

地球は重力があるので椅子は浮かないし身体も浮きません。重力によって身体全体が地面に引っ張られてる感覚は少しくらい感じるでしょうか?

この感覚をじっと感じて、何分くらいいられるでしょうか。1分ももたないんじゃないでしょうか?

(2) 呼吸に意識を向ける

次に、自分の呼吸に意識を集中します。息を吸ったときに鼻から空気が入り、気管を通って肺に酸素がいく感覚を感じます。胸が膨らんでくる感覚を感じるでしょうか?

呼吸はゆっくりと行います。そのままゆっくりと鼻から息を吐くときに、今度は肺に取り込まれた空気が鼻から出ていくのを感じますか?

息を吸うときは冷たい感覚、吐くときは温かい感覚を感じます。

また、自分の息を吐くとき、その音が聞こえるでしょうか?息を吸ったときの音、吐くときの音が耳を通して感じられるはずです。

呼吸をコントロールしなくてもOK

呼吸を意識しすぎて息の加減を調節する必要はありません。呼吸の仕方にこれがいい、これが悪いはありません。自然に息をするまま、その呼吸する感覚を感じてみてください。

よく注意すると呼吸の一回一回が違うことに気づくでしょうか?短いときもあるし、長いときもあります。毎回少しずつ違う呼吸を感じてください。他にも気づいた感覚に注意します。

今まで自分の呼吸をここまで細かく注意したことってそんなにあるでしょうか?ほとんどない人は多いと思います。



(3). いろんな考えが浮かんでくるのに気づく

呼吸に意識してると、いろんな考えが浮かんでくるんじゃないでしょうか?

仕事のこと、家族や友達、仕事仲間の表情や人間関係のこと、昨日の出来事、先の予定、過去のこと…

  • 「そういえば仕事のあの件があったな…」
  • 「来週までにやらないと…」
  • 「あの人に連絡返さなきゃ…」
  • 「冷蔵庫の牛乳、賞味期限切れそうだった」
  • 「最近掃除してないな、やらなきゃ」
  • 「あの人、最近どうしてるだろ」

など、いろんな考えが浮かんでくると思います。これは自然なことで誰でも雑念がでてきます

(4). 雑念が浮かぶことに気づく

いろんな考えが雑念として浮かぶのは自然なこととして、「雑念が浮かんでいる」のに気づくでしょうか?

呼吸に意識を向けていたはずなのに、他のことで頭がいっぱいになると思います。そしたらまた呼吸に意識を戻します。ゆっくりと、また自分の呼吸音や鼻から空気が流れるのを感じます。

呼吸に集中してるつもりが、またいろんな雑念でいっぱいになるかもしれません。そしたらまた呼吸に意識を向けます。

我慢できなくなるのに気づく

呼吸に集中しても雑念が浮かび、また呼吸…とやっているうちにだんだん、

「もう限界」
「こんなことして何になるんだ」

と思ってくるんじゃないでしょうか。

「そうだ、あれやらなきゃ」
「こんなことよりやらなきゃいけないことがあるんだから」

と思ってくるかもしれません。

※合わせて参考ください: スタンフォード大学の精神医学では、「やらなきゃいけない」になるほどストレスが増えて身体や精神に悪影響を及ぼしてしまい自己嫌悪が増加するとも知られています。( その不安感、やる必要ないのに「やらなきゃ」って思い込んでる? )

 

どれくらい呼吸に意識できてたか?

ここまで、呼吸に意識できてた時間はどれくらいでしょうか?
1分も持たなかったら脳はかなり疲れてるとみなせます。脳は他の考えでいっぱいな状態です。

考えてもみてください。1分すら休めないとしたら、エンジンかかりっぱなしの脳がどれくらい消費していくか。【なぜ、一日何もしなかったのに疲れがとれないか?瞑想する理由でも紹介しましたが、私たちの脳は何もしないでも疲れていってしまいます。脳が疲れる状態でよい結果が出せるでしょうか?

私も1分どころか30秒くらいで呼吸に集中できなくなることばかりですが…まずは「雑念が浮かんでることに気づく」ことが重要です。気づくと気づかないでは大違いです。気づかなかったらさらに脳が疲れていってしまいます。

呼吸に集中してたのに「違うことを考えてる」状態は、「今ここ」にありません。(参考: これが、みんな知らずにやってる脳疲労の原因「自動操縦モード」

「今」呼吸に意識を向けているのに「過去」や「先」のことで頭がいっぱいになる。そんな状態はますます脳が疲れていってしまいます。まずこの状態に気付きましょう。

脳疲労は瞑想で休められる

呼吸に集中できる時間がながければ長いほどいいってわけでもありませんが、「やることある」状態でもあらためて呼吸に集中できるかどうか、まったくできないとなると脳疲労がひどい状態とも言えます。

瞑想で脳を休めることができます

脳疲労は日々の生活でストレスを感じれば感じるほど自分では気づきにくいものです。思い出したときにでもぜひチェックして意識し、脳を休めてあげてみてください。

参考: