「やる気が出ない」
と思うことって多いですよね。
例えば試験勉強をしないとなのに、ぼーっと考えてるだけで始められず、そのうちぜんぜん関係ない部屋の片付けを始めてしまったり、仕事の資料を作らないとなのにやる気が起きずに本棚の整理を始めてしまったり、私もよくありますが、こんな経験多いんじゃないでしょうか?
やる気を出すのには、じつは簡単な方法があります。
目次
なぜ「とにかくやり始める」とやる気が出るか?
最も簡単に言うと、「とにかくやり始める」とやる気がでてきます。
そうは言っても「それができない」と思っているんじゃないでしょうか?
「そんなことはわかってる」
「それができたら苦労しない」
と思うかもしれませんが、じつはこれが脳とやる気のメカニズムなのです。
脳は「やり始めないと集中できない」ようになってる
なんと、脳と身体の関係を見てみると、やり始めると集中できる作りになっているのです。言い方を変えると、「やり始めないと、いつまでたっても集中ができない」ようになってるのです。
つまり、試験があって勉強しないといけないなら、まず机に向かって教科書や参考書を開きノートにペンで何でもいいから書き込むと、次第にやる気が出てきます。
「何でもいいって言ってもノートに書き込めない」
と思われるかもしれませんが、本当になんでもいいのです。例えば教科書の内容をそのまま複写してもいいし、デタラメでも落書きでもなんでもかまいません。形だけでも「やり始める」ことで、ようやく脳はやる気を出そうとしてくれるのです。
仕事で使う資料をパソコンで作成しないとなら、まずパソコンに向かって資料作成用のソフトを起動します。そのまま何でもいいから打ち込み始めます。
「何でもいいから打ち込むって言ってもできない」
と思うなら、前回の資料の内容と同じものをまず打ち込んでもいいし、一行だけでも構いません。まだ提出期間があるなら、今日は1行だけでもいいし5分でもいいので形だけでもパソコンに向かって資料を作る格好をしてみてください。
すると、面白いことに1行だけでやめようと思って始めても、逆にそれだけでやめられず、次第に集中力が上がってきて進められるようになります。
こうやって、まずやり始めて書いてるうちにだんだんと「やる気」がついてきます。
(こちらも参考ください: 【なんと、マルチタスクは脳の集中力を下げて学習能力も悪影響!?】)
それでもやる気がでない場合どうすればいいか?
今日、形だけでもやってみてそれでもやる気がでない場合は、明日また形だけでもいいのでやってみてください。ほんの5分だけでも構いません。
勉強するには、まずはデタラメでもいいのでノートに文字を書き込むのがやる気を出すために必要なことです。仕事でメールの返信をしないとなら、まずは1行でもいいので書き始めてください。相手の宛名だけでもいいです。
今は「行動してから考える」時代
今までは、何かやることがあるなら「頭で考えてから、次に行動する」のがいいと考えられていました。
しかし、これは古い考えで何の意味もありません。脳の作りに矛盾していることがわかってきていて、近年の心理学や脳科学の世界では「行動し始めてから考える」というのが常識になりつつあります。
考えるより動いたほうが脳にやる気を出せる理由
カリフォルニア大学の生理学者ベンジャミン・リベットによる実験では、人が何か動作を行う準備のために送られる信号は、動作を行う意識の信号より350ミリ秒も早かったことが判明しています(参考: 科学的に元気になる方法集めました – 堀田秀吾 (著) 以下引用は同書から)。
つまりどういうことかと言うと、頭で考えたり心で思うより、実際の動作するほうが脳に与える力が強いということです。
じゃんけんをするとき実は何を出すか先に決まってる
じゃんけんをして「チョキ」を出そうとする時、心の中で「チョキを出そう」と思うより先に、実は「チョキを出せ」と筋肉や身体への命令が脳から出されているのです。
そして、この「チョキを出せ」という身体や筋肉の動きを受けて、心の中で「よし、チョキを出そう」と思い始めます。
脳の動きを測定すると、その順序がはっきりわかるといいます。
なぜ、ごちゃごちゃ考えるほど行動できなくなるか?
私たちはあたかも自分で意識して行動を決定してると思ってしまいますが、実はそうではなく、行動はほぼ無意識で行われ、意識はむしろその行動をキャンセルするということと捉えられます。
言い換えると、せっかく勉強をやろうと脳や身体は司令を出しても、意識が「でもめんどくさい」と行動をキャンセルしてしまっているため、やる気がでないと言えます。
つまり、ごちゃごちゃ考えれば考えるほど行動できなくなるという結果になってしまいます。
いったん行動し始めると、のめり込める理由
また、脳はいったん行動をし始めるとそのことにのめり込む性質があります。これは側坐核(そくざかく)という報酬や快感、嗜癖、恐怖に関係する神経細胞で、これがいわゆる「やる気スイッチ」になっています。
側坐核が刺激されるとドーパミンが分泌され、ひらめきや良いアイディアが出るようになり作業がノッてきて進むという性質があります。
勉強しなきゃなのに掃除が進む理由
- 「勉強しなきゃなのに掃除し始めちゃって、気付いたら部屋がピカピカになった」
- 「仕事の資料を作らなきゃなのに本棚の整理をし始めちゃって、どんどん片付いた」
なんてことになるのは皮肉なことですが「掃除」や「本棚の整理」をし始めちゃったからこそ、脳の側坐核が刺激されやる気スイッチが入ったと言えます。
これを、デタラメでいいのでほんの5分だけでも本来の勉強や仕事に向けるとやる気スイッチが入り、本来やるべきことに向けられます。
「考える前に行動する」とうまくいく
まずは考える前に行動するのが大切です。
「あれやらなきゃ」と思ったとき「でも~だから」と頭の中で言い訳を作ってしまいがちですが、これがやる気がなくなる理由でもあります。
まず動作し、行動しないと脳はやる気がでないとわかってる以上、頭で考えていてもいつまでたっても進みません。
「あっ、今ごちゃごちゃ考えちゃってるな」
と気付いたら、形だけでもデタラメでもいいのでやり始めましょう。そうすると、自分でも面白いくらいやる気が出てきます。
こちらも合わせてご覧ください: 【モチベーション】これがやる気を出す方法ちの1つ「障害を減らす」
参考: