イライラしたとき、どんな対処をするでしょうか?
TwitterなどSNSや掲示板では攻撃的な人も多くいます。表面上は匿名でコメントが書けるしネット上では自分とは関係のない他人と思ってしまう分、誰これかまわず誹謗中傷する人が問題になることもあります。
ストレスがたまったときに解消する手段としてネットで暴言を吐いたり、攻撃対象を見つけて誹謗中傷を繰り返す…こんな人もいますが、これは止めておいたほうがいい行為です。
目次
イライラをしたときモノや人に当たらないほうがいい理由
認知症になりやすくなる
東フィンランド大学のネウヴォネンらによる研究で、世間や他人に批判的な物言いをする度合いを測る実験が行われました。
この結果、「人を信用できない」と考えて、攻撃的な物言いをしている人は、認知症になるリスクが高くなるという結果が得られたそうです。
物事を批判的に捉える人って周りにもいるかもしれませんが、とくにイライラしたときに攻撃的で批判的になる人ほど認知症になるリスクが高くなってしまいます。
怒りをぶつけても更にイライラしてしまう
また、アイオワ州立大学のブラッド・ブッシュマンらの研究では、被験者たちに
「怒ったときはサンドバッグを殴ると怒りの解消に効果的」
というフェイク記事を読ませて、そのあと意図的に怒らせてみて、サンドバッグを殴った被験者と安静にしていた被験者の様子を観察したところ、サンドバッグを殴った被験者は殴ることを楽しんだもののその後も怒りがおさまることなく関係ない人にまで怒りをぶつけたりと、さらに怒りの感情はエスカレートしてしまったそうです。
つまり、イライラしたときに関係ないモノに当たったところで怒りは解消されることなく、むしろさらに怒りは爆発してしまい収集がつかなくなるということがわかります。
よく、「怒ったときは大声出したり怒りをぶつけて解消したほうがいい」と言われることもありますが、これは逆効果です。
イライラしたときにTwitterやSNSで他人に暴言を吐いたところで怒りは収まらず、それどころか更に怒りが爆発してしまい攻撃的な行動は止まらなくなってしまいます。
ストレス発散と思ってやっている攻撃的な言葉や行動は、実はますます怒りを引き起こしてしまっている原因とも言えます。
イライラしたときは我慢をするのが正解
イライラしてネットで暴言を吐きたくもなっても我慢してください。あまりに怒って感情的になってしまったときは周りに怒りをぶつけたくもなりますが、ここで我慢すると怒りが解消されやすくなります。
暴言を吐いたり人やモノにぶつけたとしても決してその怒りは収まるわけではないことを思い出して、いったん深呼吸して落ち着きましょう。
また、ここで「我慢したほうがいい」というのはあくまでモノや他人に当たる行為です。本当に必要なことは当人に伝えないと解決できないことも多くあります。それを関係ない人やモノに当たるのはやめたほうがいいでしょう。
また、何か言いたいことがあったとしても、それを否定的で相手を傷つけるような悪い言葉ではなく、いい言葉に置き換えてみてください。
人間だからこそ怒りがコントロールできる
怒りの感情は、大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)から起きる働きです。これは食欲、性欲、睡眠欲、意欲などの本能、そして喜怒哀楽など感情を司っていて、怒りを感じるとこの大脳辺縁系が活発に動くことがわかっています。
大脳辺縁系は原始的な動物も共通で持っていて、この働きによって怒ったり不安になったり行動しますが、人はそれをコントロールする「大脳新皮質(だいのうしんひしつ)」が進化しているために怒りに駆られることなく理性で制御ができます。
大脳新皮質は合理的で分析的な思考や言語機能を司っていて、人など高等生物が大きく進化している傾向にあります。
つまり、イライラしたときに周りの人やモノに当たったりTwitterで他人に誹謗中傷する人は、言い換えると怒りがコントロールできてなく、原始的な動物と同じということになってしまいます。
人だからこそ一呼吸置いて怒りを抑制することができるので、イライラしたときはいったん我慢するのが得策です。
「怒ったらそれを吐き出さないと体に悪い」思い込み
私も以前は一旦イライラしたら怒りの感情を出してしまっていました。
Twitterで暴言吐くことはありませんが…、周りにあたってしまうこともあり、そうするとその後に「なんてこと言っちゃったんだろう」と自分で言ったことで勝手に落ち込んでしまうこともありました。
「怒ったらそれを吐き出さないと体に悪い」とか「言葉に出したりストレスを出さないと解消されない」とか根拠のない思い込みをしてたことがあって、わざわざ怒りを表現してましたが、そうではなくて人間だからこそ怒りの感情がコントロールできるし一呼吸おいて冷静になることができるということと、今回の話のように怒りを爆発させてしまうと更にエスカレートして止まらなくなってしまうと知ってからは、イライラ怒ってもまずは怒りまかせに言わないようにしています。
まとめ
いったん我慢してその場の怒りを「後回しにする」という工夫をすると、その怒りはいつの間にかどうでもよくなって「あれ、何で怒ってたんだっけ」くらい怒りは解消されます。
またネットでの誹謗中傷から名誉毀損罪や侮辱罪など法的な問題につながってしまうこともあるため、余計な暴言は吐かないにこしたことはありません。
ただ単に怒りを我慢するだけで周りとの人間関係のトラブルを防げます。イライラしたら、まずはその場を離れて一呼吸おいてみましょう。