引きこもりなんて「まさか自分がなるとは思わなかった」なんて思うかもしれませんが、学校や仕事に行きたくなくて休んでいるうちに外にすら出られなくなってしまいそのまま3ヶ月経ってしまったなど、じつは引きこもり状態になってしまう可能性は多くあります。
そしていったん引きこもってしまうとだんだん外に出るハードルが上がってしまいます。
- 「引きこもりから脱出したい」
- 「今まで外に出られたのに」
- 「子供が部屋に引きこもったきり外にでなくなった」
など、自分に限らず家族が引きこもりだと多くの悩みを抱えてしまいます。私も引きこもりがどういう気持ちになるか痛いほどわかります。
なぜなら、私は過去に7年間も引きこもっていて、その間ほとんど外に出ることなく過ごしたからです。
その間は仕事もなく社会性も人間関係もなく、布団で寝るかパソコンするかだけの生活で「生きてる意味もない」とすら思っていましたが、今は外に出て散歩したり買い物したり当たり前の生活ができるようになりました。
長い引きこもり生活から脱出した経験を元に、引きこもりが考えていることや、どうやって外に出られるようになったか、その方法も含めて少しでも悩んでる人の助けになればと思い書いていきます。
目次
引きこもりを治す最低条件
まず、引きこもりを治すには、
- 「引きこもりはもう嫌」
- 「引きこもりを治したい」
- 「外に出たい」
と思うことから始まります。
当たり前と思うかもしれませんが、もし本人が引きこもり状態に満足していたら治りません。
例えば若くニートをしていてその生活に満足していたら、厳しいことを言うとそれは引きこもりというより甘えです。そして本人によって「よくなりたい」と向上する意思がなければ何も変わりません。
例えば風邪やインフルエンザにかかったら静かに寝て温かくして過ごしていると次第に回復できますが、治そうと思わず寒い外で過ごし無理をしたら悪化してしまいます。
引きこもりも「よくなりたい」「外に出られるようになりたい」と素直に思い行動することで回復に向かいます。
それができない、もしくは強がって「自分は引きこもりなんかじゃない」と思うようなら、さらに外に出られずに悪化することもあります。
7年間引きこもるとどうなるか?
私は約7年の間、実家の自室に引きこもっていました。
そのうち3年間はまったく外にでない状態で、それ以外も月に1回ほど通院(もともとはうつ症状)のために外に出るだけです。それもほとんどは外が怖いあまり親に車を出してもらっていました。
常に窓を開けずカーテンも閉めっぱなしで、外の空気を吸うことなく過ごしてるうちに外はどんな景色かもわからなくなっていました。
布団から1歩先のパソコンデスクを往復するだけ
布団から1歩先にはパソコンがあり、その間とトイレを行ったりきたりするだけです。
なにしろ人と会うこともないし用事もないので昼夜逆転は当たり前です。汚い話ですが人に会うことがないため風呂にほとんど入らない時期もありました。
夜中にネットゲームしたり動画を見て、SNSで暗いことをつぶやくだけ。眠くなったらパソコンデスクから一歩先の布団に行って寝る、という生活です。
近所の人の声が怖いから朝になる前に寝る
朝になって明るくなり鳥がチュンチュン鳴きはじめると近所の子供や学生、社会人のの通学・通勤時間になります。
部屋で窓を閉めっきりにして引きこもっていても外の生活音や人の話し声は多少聞こえます。
なにしろ自分はまともに仕事もしてないし社会に出られていません。笑い声や楽しそうな声が聞こえるといたたまれない気持ちになるので、朝になると明るくならないうちに布団に入って寝ます。
そうやってただ現実から逃げているだけでどんどん日が過ぎていきます。
気づいたら「外が怖い」状態だった
ほぼニートだったので食事は親が用意してくれて生活に不自由することはありませんでしたが、日がたつごとにますます引きこもりに拍車がかかり、気づいたら「外が怖い」状態なっていました。
これでも以前は人と話したり知らない人にもわりと話しかけられる性格だったのですが、まさか自分が外が怖くなるなんて、数年引きこもって気づいてからはもう遅かったのです。
外が怖くて病院に行けない
また、心療内科に通院したので月に一回だけ行く病院が唯一、外の世界と触れる機会でした。
通院の日が近づくと処方されていた薬がないため「病院いかなきゃ」って思って、
「外に出られるかな?大丈夫かな、外が怖い」
と考えるだけで動悸がして変な汗がでていました。
その状態で外に出て眩しい太陽の光がさすとめまいがしてしまうのです。クラクラ倒れそうになる状態で、外が怖いあまり病院にも行けない日も多々ありました。
そうなると次の月の通院の日まで罪悪感や自己嫌悪でいっぱいになってしまいます。
「外に出られてた過去の自分」を妄想して現実から逃げてるだけ
引きこもりのアニメや漫画の主人公が外に出たら目眩と気持ち悪さで吐くような場面もありますが、「まさか自分がこんなんなるわけない」と都合のいいことを思っていました。
でもいつのまにか本当に、
「外に出るのが怖い自分」
になってしまっていたのです。といってもそんな自分は認めたくなくて、
「昔は外に出られてたから大丈夫だ」
と根拠もなく現実逃避していました。
でも実際には過去の自分を妄想して現実から逃げてるだけでした。
引きこもりのポジティブな面
引きこもりは社会にも出られずに惨めな思いをしますが、周りが許してくれる限り時間がたくさんあるのでいい面もあります。ただ「いい」というよりは無理やり自分を正当化してるところもありますが、
「私は引きこもりだし外にも出られない。生きていても意味がない」
とまで思わなくても、実は引きこもってる期間を有効に使うことも可能です。なにしろ引きこもっていられる時間は人生でそうそう経験できません。
時間の許す限り好きなことに没頭できる
時間がたくさんあるので例えば趣味に没頭したり何か制作したり、その気になれば通信の大学やネットで受けられる資格もあるので資格試験の勉強もできます。
私はプログラミングをしてるうちに楽しくなってきてネットで技術を学んだり、たいしたものじゃないですがアプリを作ったりしていました。今思うとその期間に得た知識は決して無駄ではありません。
引きこもっていられるうちに得意なスキルを磨く
ただ引きこもって生産性のないことをするよりは、引きこもっている間をほんのちょっとでも得意なスキルを見つけ技術を磨く期間と考えると「引きこもってたからこそできた」ということもあります。
例えば文章を書くのが好きで、引きこもって生活を犠牲にしてしまったけどその間に本を読み漁り小説を書き続け成功した人も多くいます。
引きこもり生活から生まれた「ハリー・ポッター」
世界中で親しまれている本「ハリー・ポッター」の著者J・K・ローリングさんは、社会不安障害だったといいます。そのため引きこもりがちで生活保護を受けながら生活していました。
その引きこもり生活の中で空想を膨らませて自身の人生経験と空想とをが混ざりあった「ハリー・ポッター」のイメージが生まれ、没頭して書き続けたといいます。
ハリー・ポッターに限らず優れた作品はこのように生まれることも多くあります。
といっても引きこもるのがよいと言っているのはありませんが、「外に出られない自分はダメ」とまで自分を責めなくていいんじゃないでしょうか。
日光を浴びないし運動もしないので集中力も続かない
とはいえ、私の場合はプログラミングなどのクリエイティブなことはそんなにモチベーションが長続きしません。
なにしろ太陽の光も浴びてないので基本的に気分が落ちているのです。
この頃は規則正しい生活をして太陽の光に浴びるとセロトニンなど「幸せを感じられ元気になるために必要なホルモン」が出るなんてそもそも知りませんでした。
運動もしないのに「集中力がほしい」と無茶な欲求をもっていたのです。
こちらも参考ください なぜ規則正しい生活でうつ病や不安、悲観的にならない?理由1つ
ネットをしてるだけの日々
引きこもって何をするかは人によって違いますが、私は体も動かさないので集中力が続かないのもあり、プログラミング以外はずっとネットしていました。
動画を見たりニュースやブログ記事を読んだり、インターネットでは常に新しい情報が入ってくるので部屋にいるだけで1日が終わります。とはいえネットをしててもつまらないし退屈なことも多くあります。
うっかり「引きこもり問題」の記事を見つけて罪悪感でいっぱいになる
また、ニュースやブログ記事を読んでいると「引きこもり問題」を扱った記事も出てきます。
うっかり「家族が引きこもりで悩んでいる」などの記事を見てしまうと罪悪感と自己嫌悪でいっぱいになるので、目につくとページを閉じて誤魔化します。
現実の嫌な記憶から逃げたい気持ちもあり、現実生活を犠牲にしてネットにのめり込んでしまっていました。
社会のことをつぶやくだけで社会人になった気分になる
また、ニュースを見た感想や社会への愚痴を掲示板やTwitterなどSNSに投稿するだけで、「私もニュースについて話している」など都合のいい解釈をしてまるで社会の中にいるような気持ちになり現実の感覚が鈍ります。
現実を忘れてネットゲームにはまる
私が引きこもっていた頃は、世間の流行りはわかりませんが、少なくとも自分の観測ではネットゲームが人気でした。
スマホのソーシャルゲームではなくパソコンのオンラインゲームです。いわゆるMMORPGと呼ばれるタイプのネットゲームで、ドラクエやFFのようなRPGゲームをネット越しにみんなで組んで冒険するようなものです。今はどちらもオンライン版がありますね。
ゲームの中では理想の姿
この手のゲームは自分のキャラを設定できるものが多く、自分の気に入った顔や体型を選び、かっこいい、または可愛い自分のオリジナルキャラにできます。好きな名前を付けて気に入った武器を持って敵を倒しに行きます。
ゲーム内の見た目は現実の自分ではなくゲーム内の理想の姿なのもあり、好みの服を着せて自由な振る舞いをして、時には現実では絶対できないような大胆な発言や行動もゲーム内ではできます。
現実は引きこもり、ネットゲームの中は最強
以前からゲーム好きでネット好きなのもあり、ネットゲームをしてるだけで時間を忘れてやっていました。
ハマって異常なほど没頭してしまい、ご飯も食べず風呂も入らずほとんど寝ることもなくひたすらゲームしてた時期もあります。
RPGの特性として、やればやるほどレベルが上がり強くなるので、とにかく時間を費やしてプレイしていた私はゲーム内でもかなりレベルが高くなっていました。
なにせ現実の自分の姿ではなくゲーム内では理想の姿なのもあり、さらにレベルも高いとまるで自分が偉くなった気がしてくるのです。私は最強なんだと都合のいいことを思っていました。
ゲームをやめると一気に現実に戻される
ただ、ゲームをやめて画面を消したとたん、華やかにキラキラとしたゲームの世界はどこにもなく、暗い部屋と小汚い自分だけなことに気づき「ハッ」と一気に現実に戻されます。
この感覚が嫌でゲームをつけっぱなしにしていた時期もあります。
ゲームはコミュニケーションの手段でもあった
あまりに現実とゲーム内の差が大きくなると、ますます外に出られなくなり引きこもりが悪化してしまうのでよくないですが、オンラインゲームでは他のプレーヤーとチャットしたり人間関係ができるので引きこもりとっては寂しさを和らげる手段でもありました。
見ず知らずの画面の向こう側の人と一緒に敵を倒しに行って、チャットしながら雑談することもあります。
ゲーム内の社会性
そしてゲーム中に仲間と話すと現実生活の話にもなります。いつもはどんなことをしてるのか聞くと、引きこもりやニート、社会人や学生などいろんな人がいます。
また、一緒に敵を倒しに行ったり、ゲーム内の街の一室で集まってみんなでチャットしたり、どうやったら効率的にレベルアップできるか、どうやって貴重なアイテムをゲットするか、難しいところを攻略するか、どこで強いメンバーを探すか、どうやってゲーム内のお金を稼ぐか、どのようにギルドと呼ばれる組織をうまく運営し人を集めるかなど話します。
コミュニケーションが上手な人はゲーム内のチャットも円滑だし、器用な人はどんどん上達して強くなっていき、「この人すごいな」って思うことも多くありました。
- 営業が上手な人は強い人を見つけてくるのがうまい
- 経営が上手な人はゲーム内でも金儲けがうまい
- リーダー基質のある人はチームをまとめるのがうまい
など、大げさな話かもしれませんが現実のスキルを活かし磨く機会もあったと思います。
ゲーム内で高レベルになり多くの人と協力してプレイするようになると、組織があり、お金の運用があり、人を集めるスキルも必要になってくるため、これは見方を変えると普通に社会生活に近い構造になっている部分があり、現実では一人で部屋の中にいるだけですが例えママゴトでもゲームの仮想空間の中にコミュニティや社会性が存在していました。
引きこもり同士が気持ちを支え合うこともある
そして仲良くなるとゲームのことだけではなく私生活の話にもなります。
ゲームの話だけでは会話が続かないので、意を決して「じつは自分は引きこもってて外にろくにでてない」ことを話すと、「私も同じ」と意外と相手も同じような生活ってことも多くありました。
そして、同じような生活の中で
- 「今日はコンビニに行ったよ」
- 「あのお菓子が美味しかった」
- 「そうなんだ、私も行ってみようかな…」
など、引きこもりから脱出したい者同士が刺激し合うこともあります。
引きこもりでも誰かと話したい
また、ゲーム内だけではなくスカイプで話すなど実際に喋って会話する機会もあります。
部屋にいるだけだと、「話し声が部屋から漏れて親に聞かれるかもしれない」と思ってしまいやりにくいですが、誰とも話すことなく一人でいてもますます寂しくなるので「誰かと話したい」と常々思っていました。
引きこもりって聞くと、直接人と会うこともなく過ごしてるので孤独なイメージがあるかもしれませんが、ネットを通して他人と話す機会は意外と作れます。
ネットゲームや掲示板、SNSなどコミュニティがあれば同じような仲間が集まるので、「引きこもり=完全な孤独」とまでいかずそれなりに会話ができます。
現実とゲームの違いを意識するほど虚しくなる
毎日ゲームの中で過ごす時間が多くなればなるほど、どっちが現実の自分か感覚が曖昧になってきますが、仕事もなく会える友達もいない、社会性もない現実の自分をふと思い出すと、とたんに虚しくなっていました。
その虚しさをまぎらわすためにまたゲームをしてしまいます。「引きこもりの自分」が現実なのはわかっていますが、その現実から逃げたい気持ちでいっぱいなのです。
現実の自分はダメでどうしようもないけど、ゲームの中の自分は強くてどこにでも行けるのでますますのめり込み、でも日が経つごとに不安定な気持ちは悪化し、それでも事実を認めたくないからどんどんゲームの仮想世界が中心になっていました。
外に出たいという思い
ゲームがどんなに楽しくても、ふと現実の自分を思うと悲しくて悔しくて仕方ありません。
ゲームのアカウント消してパニック
そのうちいよいよゲームをしてる自分が虚しくなり、長年やったゲームのアカウントを自ら消して、二度とできないようにしました。アカウントを消さないと意志の弱さに負けてまたやり始めてしまうからです。
今まで1日18時間以上やり続けたゲーム生活が急になくなったので、その後しばらくはぽっかり魂が抜けたように猛烈な虚しさに襲われ、今までどうやって生活してたかわからなくなりパニックにもなりました。こんな例えはおこがましいですが、とつぜん務めてた仕事がなくなったような感覚です。
自分でそうしたかったのにいざ実行すると怖いものでした。いわゆるゲーム依存ですね。
外の世界への憧れ
ゲームがなくなると、どうしても外の生活や現実を意識する時間が増えます。
今まで外の空気を吸うことなく今日の天気すら知らないし、窓を開けるのが怖いので閉めっきりです。
雨の日に窓の外から雫の滴る音は聞こえてもカーテンは開けることなく隣の家の様子も知らない。
ストリートビューで仮想の散歩をする
近所はどんなだっけと思う時はgoogleマップのストリートビューで見て想像していました。もはややってることが気持ち悪いですが、少しでも外のイメージを思い出したいし「外に慣れたい」のです。
ストリートビューを見てるとまるでそこを歩いた気分になります。そうやって仮想的な散歩をして満足することもありましたが、本当に外に行っているわけではないので錯覚だし虚しくもなります。
ただ、外に出たいだけ
あまりに引きこもり状態が続き外を直接見ることも怖くなってたときは、ネット上の写真や動画だけが自分にとってのリアルな外でした。
かといって動画や外の風景の写真を見ても、実際に自分の目で見ていないし空気を味わってもなく触ってもいません。
そう思うほど、「実際に自分の足で外に出たい」と思うことが増えていき、日に日に本物の外を知りたい気持ちが強くなりました。
「でも私は外に出られないから…」
と自分に言い訳してしまいますが、やっぱりどこかに引きこもりの解決策がないか探したりして、一番楽に外に出られるようになる方法はないかと考えます。ただ、外に出られるようになりたいんです。
理想の自分を妄想してもだんだん虚しくなる
ただコンビニに買い物に行くこともできない自分が悔しくて、「こんなはずじゃなかった」と思う瞬間ばかり。でも時間が戻るわけではありません。
現実逃避がひどくなり、せめて妄想の中で理想の自分を作ろうと都合のいいイメージを膨らませることもありましたが、最初のうちは理想の想像ができてもイメージしてるとだんだん嫌な思い出やネガティブなことばかり出てきてしまいます。
妄想に逃げれば逃げるほど自己嫌悪や罪悪感がひどくなりました。
長い引きこもり生活で社会性もなく日光に浴びず体も動かさないのもあり、精神状態はボロボロでした。
買い物を仕方がわからない
「以前は好きなところに行けていたのに、どうしちゃったんだろう」
と思ってばかりです。せめて買い物くらいは行きたい。
買い物なら、親に「これこれ買ってきたいから行ってくる」と、外に出る理由をつけやすいのもあります。
といっても長年の引きこもり生活ですっかり買い物の仕方を忘れているのです。昔はコンビニでどう買い物したっけ、と手順を思い出そうとしました。
コンビニなどは年々進化してるので想像の中の店内は怖いものでした。
「今はスイカとかカード決済が当たり前で、現金を出すことなんてないのかな?」
「現金なんて出したら笑われるんだろうか?」
「どうやって物を買うんだろう」
「現金なんて出したら笑われるんだろうか?」
「どうやって物を買うんだろう」
と、もはや浦島太郎状態です。
ネットで「コンビニ 買い物 やり方」などと調べても引きこもりが久しぶりに買い物をする方法なんて出てきません。それどころか「今どき現金払いはありえない」ような混乱する結果すらでてきます。
情報と現実のギャップを心配して、自分で生み出した恐怖心が余計に自分の行動にブレーキをかけてしまってました。「行動する前に調べる」ことが悪循環だったと今では気づけますが(参考: 【やる気が起きない原因】仕事勉強やる気を出すたった1つの方法)、この時は怖くて仕方なかったのです。
実際に行動する
でも一歩でも外に出ようと決心しました。自分の目で外を見たいし「普通の生活」をしたい。
毎日一歩だけでも外に出ると決める
この思いから始まって、毎日一歩だけでも外に出ようとそれだけを目標にしました。
- 「毎日、一歩だけでも外に出る」
- 「靴を履いて玄関の外に出る」
- 「外の空気を吸う」
ただそれだけなんですが、あまりにも怖くて目眩がするほどでした。
そしていざ外に出ると、太陽の光や空一面に広がる雲が自分の肉眼で見られます。
写真じゃない本物の外は、社会に出て生活してる人にとっては当たり前すぎることですが、あまりに広く広がる景色と人がいる外を感じて不安がどっと出てきてしまいました。
普段と違う行動をするのは勇気がいります。
「親に見られたら驚かれるので嫌」というのは言い訳かもしれませんが、周りが騒ぐのは耐えられないのでこっそり自分だけで外に出たいところ。でもタイミング悪く誰かに見られてしまうことも当然あります。
それでも毎日外の空気を吸うと決めました。
「自分のことが大嫌いな自分」は嫌だから
なぜなら自分に自信を持ちたいからです。
「自分のことが大嫌いな自分」は嫌だからです。
毎日5分だけでも散歩する
そこからだんだん毎日5分だけでも散歩するようにしました。
近所を一周するだけです。ダイエットとか運動とかじゃなく、外に慣れたいから散歩するという目的です。
服がろくにないので全身真っ黒なジャージで歩いてました。
外を歩くと、まず歩き方の練習から始まります。
何年も室内しかまともに歩いてないので、足元がおぼつかなくてうまく歩けない。近所の目が気になりますが歩くのに集中するのでいっぱいでした。
もう引きこもりっていうか赤ちゃんからまた始めてるような気分です。
筋力が衰えすぎてるし精神状態はボロボロですが、とにかく外を歩きます。
ここまで落ちたら上がるしかない
もはやここまで落ちていたら上がるしかありません。
ただ近所を歩くだけですが、それでも毎日外に出ることを続け、少しずつ行動範囲を広げていきました。
通っていた病院も一人で行けることが増え、帰り道にコンビニやスーパーで買い物もできるようになりました。
こちらも参考ください 【散歩初心者向け】3年毎日散歩してる私の服や靴、持ち物紹介
今度は薬の副作用で身体が不自由になった
ただ、私の場合この時に処方されていた薬の副作用で「手の震え」がひどくなり、次第にものが掴めなくなると茶碗やお箸がうまく持てなくなり、買い物してお釣りをもらうときにうまく掴めずチャリーンとお金を落としてしまうようになってしまい、新たな悩みにぶつかりました。
外には出られるようになりましたが、手が震えると思うと恥ずかしくて申し訳なくてだんだん人前に出られなくなり、次第に対人恐怖症が出てきてしまいます。
処方された薬の副作用や症状については長くなったので↓の記事にまとめています。
こちらも合わせて参考ください 【副作用】心療内科の薬を飲まないと不安な状態から回復した体験談
引きこもりは回復できる
もし、あなたや家族の方が引きこもりで悩んでいても、回復する道は必ずあります。
冒頭でも書きましたが、まず「外に出たい」と思うことから始まります。
外に出たいから外に出る方法を考える。そして実行するだけです。
とはいっても引きこもり期間が長くなればなるほど、外に出づらくなるし実際に行動するのは勇気もいります。
それでも少しずつ外に慣れていくと「外に出られる自分」になれ、いつしか自分に自信が持てます。
ここから散歩を続けた体験談も合わせてご覧ください こうやって私は7年うつ病引きこもりから外出できるまで回復できた